FF SPECIAL INTERVIEW

2023年12月19日 FF-Staff 0

40周年ということもあって、すごく充実した一年 開催中の「40th Anniversary Tour 2023-2024」が、各地で大好評を博しているフミヤ。復活した大歓声に包まれ、自身も確かな手応えを味わっている。さらにこの年末には、26年ぶりの紅白出場決定という嬉しいニュースも。アニバーサリーツアー中盤を迎えた今、フミヤが感じていることを語ってもらった。 ●40周年のタイミング的にも嬉しい〜「第74回 NHK紅白歌合戦」出場決定〜 ———まずはホットなニュースとして、今年の紅白出場が決定しました。 フミヤ(以下F):ここへ来て紅白に選ばれたことは、素直に嬉しいよ。最初、マネージャーが「NHKから電話がありました」「なんで?」「紅白です。どうしますか?」って言うからさ、「それ、日本の歌手で断るのは基本的にいないだろ。もちろん出るよ!」って(笑)。 マネージャー:予定ではオフで旅行中の可能性もあったので、一応確認しました(笑)。 F:昔はニューミュージック、ロック系アーティストは断る人も多かったけど、今は永ちゃんやユーミンも出るからね。俺が最後に出たのは、97年の「Go the Distance」。チェッカーズで9回出てるから、全部で15回か。長いこと大晦日は武道館でライブだったし、99年からはカウントダウン。そういう状況でだいぶご無沙汰だったんだけど、今回は40周年ということでタイミング的にも嬉しい。さらりと華を添えるような気持ちで、さりげなく歌って帰ってくる感じがちょうどいいんじゃないかな。それにしても、発表されてから、「おめでとうございます」っていうメッセージがたくさん届いた。紅白って今なお、みんなに祝われる番組なんだなぁ。やっぱり、日本の年末の風物詩だからね。“こたつで紅白”みたいな。それに歌番組というのは、家族で安心して見てもらえるじゃん。ニュースのような戦争や事件の要素はないし、映画のように危険なシーンが出てくることもなく、下品さや毒もない。とくに大晦日なんて、誰しも平和にポジティブに過ごしたいからね。紅白を観て、いい気分で「楽しい」とか「いい曲だな」と言ってるうちに、「ゆく年くる年」になって、ゴーンと除夜の鐘が鳴り出す……というのは平和でいいんじゃない。 ———最近は若い世代がフミヤさんをフェスやYouTubeなどで知ったとか、お子さんと二代でファンという方も多いので、広い世代で楽しんでいただける紅白は、ご家族でお楽しみいただける機会でもありますね。 F:ああ、国民的な番組だからこそ、それもあるよね。紅白って面白いんだよ。若い人もいればベテラン演歌歌手もいるし、CGやプロジェクションマッピング、ありとあらゆる演出や最新技術を使う。大御所が何十年も同じ代表曲を歌い続けているし、今やかつてのような国民的ヒット曲というのはないから、紅白で初めて若手アーティストを知ったりもする。家族が集まる大晦日ならではの番組。俺は、最近までずっと「紅白」と「笑ってはいけない」を切り替えながら、のんびりした大晦日を楽しんでいたんだけどね(笑)。NHKとは、いろいろなご縁が重なってきている。スペシャル番組や「SONGS」も反響があったし、この間もNHKのラジオに出たりして。 マネージャー:若いディレクター陣も、やりたいと言ってくださっていて。 F:そう。そういうご縁が点々とあって、ひとつのいい流れになっている部分もあるんだろうね。NHKと言えば、今年は朝ドラ「ブギウギ」を見てるんだよ。朝ドラを最初からちゃんと見るのは初めてかも。お付き合いのある水谷豊さんと伊藤蘭さんの娘さんだから、見ちゃうんだよ。しかも、昔ポニーキャニオンにいた、久留米までスカウトに来てくれた木下さんっていう人のお嬢さんがダンスの振付を担当してる。上京当時、木下さんの奥さんにも可愛がってもらってたんだよね。田舎から出てきた男の子たちってことで、ご飯作ってくれたり、マンションのドアノブにお弁当かけておいてくれたりして(笑)。そのご夫婦の、当時小さかったお嬢さん、なっちゃんが「ブギウギ」のダンスを作ってるわけ。クレジットを見て「あっ、“振付:木下菜津子”って出てる!」って(笑)。そういうこともあって、リアル身内感覚でずっと見てる。もちろん題材が音楽ネタだから面白いっていうのもあるしね。そう思うと、なんだかんだNHKづいてる一年だったのかもしれない。 ●全都道府県に行くってこういうことか、と実感〜40th Anniversary Tour 2023-2024〜 ———40周年ツアー、ここまでの手応えはいかがですか。 F:内容も出来もお客さんの反応も、全体的にほぼ完璧! バランスもちゃんと考えて作ったセットリストだし、お客さんもめっちゃ楽しんでくれているのが分かる。バンドも、ここへ来て、さらにまとまりが出てきているよ。一緒に飯食ったり、バス移動したりっていうコミュニケーションが増えてくるからね。自然に、文字通り息が合ってきている。最初は、長いツアーだから途中で曲を入れ替えていこうかなとも思ってたんだけど、まだ観ていない県の人がいるわけだから、逆に入れ替えづらくなってきたね(笑)。それだけセットリストの完成度が高いから。そうそう、体調不良で北海道公演を延期してしまったのは申し訳なかった。振替公演が半年後なんだよね……。今回は北海道で声が出なくなって、すぐ東京に帰って、翌日に耳鼻咽喉科に行った。我慢できるものや薬で一時的に抑えられるものならまだいいけど、喉はなぁ。 ———ただ、短期間で回復に尽力されたこともあって、かつしか公演で復帰された日の喉は完璧でした。 […]

FF SPECIAL INTERVIEW

2023年6月2日 FF-Staff 0

楽器の音合わせを見ながら思う「今も俺はここにいて、歌い続けているんだな」 5月にSpecial LoveSongツアーを終え、すでに40周年アニバーサリーツアーに向けて動き出しているフミヤにインタビュー。Special LoveSongツアーを愛おしく振り返る言葉からは、やはりファンを目の前にしたライブこそが、フミヤの次なる創造の源となっているのを感じられる。40周年というお祭りイヤーの幕開けは、もうすぐだ! ●CONCERT TOUR 2023 Special LoveSong いちばんの収穫は“歌をしっかり届ける大切さ” ———2月から5月にかけて行われたSpecial LoveSongツアーが終わりました。振り返ってみて、いかがですか。 フミヤ(以下F):もう、大成功だったと言えるね。クオリティが高くて満足感を感じてもらえる、いいライブになったと思う。もはや、Special LoveSongというひとつのコンテンツとして第二弾をやるのもありかも?と思っているぐらいだよ。まずは、とにかく音楽アレンジが見事だった。楽器の鳴りも良くて、質の高いサウンドでライブをやれたのがよかった。観に来てくれたラジオ関係の人達も、久しぶりにあそこまでいい音のライブを生で聴いたと言ってくれたしね。自分にとって今回一番の収穫は、“歌をしっかり届ける大切さ”を強く実感できたこと。それほどパフォーマンスや派手な演出がなくても、しっかり歌うだけで、こんなにお客さんが盛り上がって喜んでくれるんだ、と。声や言葉が綺麗に通るように歌うことや、知らない人が初めて聴いても歌詞が聞き取れるように歌うということ。もちろん普段から大事にしていることだけれど、この年齢でそれをあらためて実感として得られたのはよかったなと。 ———客席の皆さんが、拍手をする前に感動のため息を漏らすような場面が何度もありました。「うわぁ」とか「すごい」と思わず声が漏れて、そこから長い拍手が続くという。 F:ああ、それはすごく嬉しいね。ブロックごとのメリハリもあって見飽きないようにしたし、苦労してセットリストを作った甲斐があったよ。 ———しかも、アルバム『水色と空色』の収録曲の良さが引き出されて、アルバムツアーだということを忘れてしまうほど既存の曲と肩を並べて調和していました。 F:そうなんだよ。もともとアルバム自体が、シングルでもおかしくないラブソングのオンパレードだった。それを、さらに楽曲が魅力的に聴こえるような曲の並びとアレンジで、Special LoveSongとしてひとつに仕上げた。アルバムツアーというのは、還暦とかアニバーサリーのような代表曲メインのセットリストとは違う。でも今回は三つ星ラブソングを集めるというコンセプトが分かりやすかったし、アルバム曲の周りを人気曲で固めたから、いろんな人に楽しんでもらいやすかったと思う。あと、ライブのもうひとつの味が、佐橋くんと俺のしゃべりだったよね(笑)。なるべく盛り上がり過ぎて長くならないように気を付けたけど、どうしてもなぁ……(笑)。まあ、ファンは喜んでくれたし、知らない人も楽しかったって言ってくれたし。とにかく全体的にいいツアーだった。何度も観に来てくれる人も多くて、ありがたかった。ただ、途中で喉の不調で延期してしまって、それによって来られなくなってしまった人には申し訳なかった。一方で、すぐに延期日程を確保できたのは運がよかった。会場やバンドのスケジュールもあるから、やれること自体がすごいことなんだよ。そして蓋を開けたらほぼ満席で、これも本当にありがたかった。 ———「彩事季」にも書かれていたように、このツアー中にコロナ禍での制限が徐々に緩和されていったのも、大きなことでしたね。 F:そう、ようやく本来のライブが戻ってきたよね! 最終日、俺としてはツアーが終わったことだけでなく、3年半のコロナがやっと明けたという感慨深さがあった。ここまで3年半、みんな本当によく頑張ったと思うよ。今回はACTIONみたいに元気に盛り上がるタイプの曲はそれほどなかったのに、結構な歓声が上がっていて、いい感じだった。最終日の渋谷なんて、騒ぎ過ぎじゃないか?と思ったぐらい賑やかで(笑)。実際にマスクを外してたのは3分の1から4分の1ぐらいだったと思うんだけど、それでもこんなに声量が変わるのかと。なんせ俺にとっても、3年半ぶりに聴く大歓声だったからね。 客席がよく見えて「おう、みんな来てる来てる!」 ———では、今回のセットリストの流れを大まかに振り返っていただきたいと思います。同じ曲でも、ツアーごとのコンセプトと曲順で感じ方が変わりますよね。まずは、暗転なしのオープニングから非常に印象的でした。 F:そう。あれは、かなり珍しい演出なんだよ。当初はアルバムと揃えて「今さらI want […]

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2023年3月10日 FF-Staff 0

歓声を浴びて「これだよ、これ!」ライブ本来の形が戻ってきた 最新アルバム『水色と空色』を軸に、三つ星ランクのラブソングが揃った「Special LoveSong」ツアーは、スタートするやいなや各地で大好評。フミヤの言葉からも、良質なステージを届ける自信と喜びが感じられる。そんなツアーの手応え、そして40周年ツアーやSpotifyプレイリストについて語ってもらった。 ●届けたかったものが届いている〜CONCERT TOUR 2023 Special LoveSong〜 ———2月からスタートしたSpecial LoveSongツアー、ここまでの手応えはいかがですか。 フミヤ(以下F):届けたかったものがきちんと届いている感覚がある。計算通りというか、それ以上かも。観てくれた人の感想も、すごく反応がいいんだよ。Special LoveSongは決して派手に盛り上がるタイプのコンサートじゃないんだけど、comu comu内では最初から盛り上がってたなぁ。各地でも、なんとも不思議な盛り上がりを見せている実感があるんだよ。例えば最近行った山形では、ファンクラブ以外のお客さんの割合が高くて、ちょっとまた違う盛り上がりがあった。「うお〜!」みたいな(笑)。そこで普段いろんなアーティストのコンサートを観ている人が、「今まで観たコンサートで一番音が良かった」と言ってくれていたり。もちろん他の会場でも、初めて観てくれた人たちが新鮮に感じてくれているようで、SNSでも好評らしい。 マネージャー:本当にいいライブになっています。山形では客席を見ていて、手がどんどん上がっていく感じがありましたね。 F:久しぶりに歓声が戻ってきたことも、確実に盛り上がる要素のひとつになっているね。初日に歓声を浴びて、「これだよ、これ!」という感じだった。ちょうど初日の数日前に歓声が解禁になった。やっぱり反応が分かりやすいから、こっちもやりやすい。俺にとってもみんなにとっても、歓声がないのが異常で、あるのが普通なわけだからね。ようやく本来のライブの形がほぼ戻ってきて、よかったよ。 ———今回の会報ではまだネタバレはしませんが、セットリストもツボをしっかり押さえていて、それこそイントロで歓声が起こったりと、満足感が高い内容です。 F:半分はニューアルバム『水色と空色』で、それ以外は三つ星と言える楽曲。セットリストはニューアルバムありきで考えたから、かなり時間がかかったんだよ。パートごとに場面を分けることだけは最初に決めたけど、ニューアルバムの曲の前後にどの曲を持ってくるかが悩ましかった。『水色と空色』は、ゆるい曲が多くてアップテンポがほとんどない。だからライブ全体としては、座って聴いてもらうのと立って踊れるブロックがバランスよくなるように作った。シングルもバンバン入れたし、なんならシングルだけでもお腹いっぱいなぐらいの充実ぶりだからね。全体的にピュアな世界観で、言葉もストーリーも伝わりやすいラブソングだから、聴く人も受け取りやすいと思う。まさに、初めて観てくれる人にも分かりやすく、“藤井フミヤのボーカル”を堪能してもらえるコンサートになっていると思う。よくフェスに出ると、「TRUE LOVE」を歌うだけで「うわー、本物を聴けた!」とか「藤井フミヤを生で聴けた」って言われる。ある意味今回もそういう感じで、周りの人に「藤井フミヤの歌、聴いてきたんだよ!」って思わず言いたくなるような、2時間たっぷりのお得感はあると思うよ(笑)。自分でも歌いながら「あれっ、もう一番最後のブロックか」って思うから、聴いてる側はもっとあっという間に感じるんじゃないかな。 ———そうですね。見終えた後の余韻まで心地よいライブです。今回はバンマスが佐橋佳幸さんですが、12年ぶりとは思えないタッグで曲の魅力が引き出されています。 F:そうだね。バンマスが佐橋くんになったことで、ここ最近のツアーとはまた違う雰囲気が生まれて、メリハリがついたと思う。ツアーが始まってからも、引き続き佐橋くんが細かいところを微調整してくれている。ちょこちょこいじって剪定しているような感じ。 マネージャー:切り込み方やアプローチが違うので、僕ら的にも新鮮な感じがあります。 F:今回のバンドメンバーはベテラン揃いで最初から安定感があったけれど、公演を重ねることで歯車がさらに噛み合ってきたな。なにしろ音のクオリティ、音の厚み、安心感がすごい。当然のことながら同じ曲でもミュージシャンによって音や表現は違うわけで、今回は上質な大人のサウンドになってる。かと思えば、佐橋くんとのトークはめっちゃ面白いしね。大阪では盛り上がって話が横道に逸れすぎて、すでに2日目にしてイエローカードを出されたからな(笑)。 ———レッドでなくてよかったです(笑)。演奏だけでなくMCの微調整も必要だったと。たしかにF-BLOODツアーぐらいの掛け合いになっていましたからね。 マネージャー:いやー、ちょっと面白すぎたんで(笑)。 F:もはや佐橋くんは身内みたいなもんだからね。たしかに、控えめにした今ぐらいの方がちょうどいい。ラブソングの世界に浸ってもらうムードは大事だから。地方も含め、思った以上に早くチケットがSOLD OUTになっているのも、ありがたいね。『水色と空色』のアルバムも良かったと思うし、「Special […]

F-BLOOD SPECIAL INTERVIEW #2

2022年12月16日 FF-Staff 0

デビュー40周年の藤井兄弟が語るあんなこと、こんなこと お待ちかね、藤井兄弟スペシャルインタビュー後編をお届け!F-BLOODツアーを振り返った前編とは趣向を変え、デビュー40周年を迎える想いを中心に、ファッション・東京・音楽についてもフリートークを展開。笑いあり深みあり、 “今の藤井兄弟”の魅力あふれるロングインタビュー。二人の醸し出す空気ごと、たっぷりお楽しみください。 ●40周年を迎える想い ———2023年はお二人にとって、デビュー40周年の年となります。それぞれの想いを聞かせてください。 フミヤ(以下F):40年もこの業界にいて音楽で生きているなんてこと、俺自身はまったく想像していなかった。それこそ若い頃には50で引退してると思ってたのに、まさか武道館で還暦を祝ってもらっているとは。しかも、活動してはいても先細りする人も多いのに、それもさほどないまま今までやってこれたことに驚くね。これは本当に、みんなが応援し続けてくれているからこそだよ。しかも現状、こちらが届けたいものとお客さんが受け取りたいものが、ちょうどいいバランスだと感じてる。俺がやっている音楽や伝えたいメッセージというのは、ホールクラスの会場向きなんだよ。だから最大でも武道館ぐらいがギリギリで、あれ以上大きいと伝わりづらいかもしれない。ホールツアーは本数が必要になるから、実は大箱より体力的には大変なんだけどね(笑)。やれるうちはいくらでもやっていくよ。尚之(以下N):ライブをやり続けるというのは大事なことだよね。今回のF-BLOODツアーも、まだあと何本かやりたい感じがあったし。我々がこれだけ長く音楽をやれているということは、聴いてくれる皆さんがいるから。もちろん本人の努力というのもありはするんでしょうけれど、自分だけでできることじゃない。俺らは、基本的に音楽というレールからはみ出ることなく進んできたんでしょうね。まあ多少脱線したことはあるかもしれないけど、軸足はずっと外していないという。例えば兄ちゃんはアクター系の仕事もやったことはあるけれど、音楽から離れることは一切なかった。ミュージシャンでも、映画とかドラマをきっかけに俳優業が増えて音楽を離れる人も少なくないじゃないですか。F:それはあるな。俺も尚之も役者の仕事をしたことはあるけれど、むしろそこはどんどん外していったもんね。若い頃からいろんなことをやってきたけど、すでに歌一本というのが明確。自分は完全に音楽が仕事であり、歌で食べているという意識がものすごくハッキリしている。基本的に音楽以外のことは、あくまで付随したものだと思ってるから。N:自分に関しては、そこは多少ブレたところもあったかもしれない。もし早くから脇道に逸れずにサックスを武器として絞っていれば、もっと極められたのかもしれないと若干思わなくはないけど。楽器をやっている人間というのは、どうもいろいろやってみたくなりがちなんだよね(笑)。でもそんなの、実際やってみたらどうだったか分からないし。もちろん今はもう、基本であるサックスを大切に、しかと最後までやり遂げようと思ってますよ。F:尚之はミュージシャンだからね。サックスも吹くし、ギターも弾くし、それで曲も作るし。俺はボーカリストとして、今の俺のままでよかったかも。もし頑張って途中からピアノを弾けるようになったりしていたら、作詞作曲するようになったりして、ボーカリストというよりシンガーソングライターみたいになっちゃってた気がするんだよね。そしたらパフォーマンスも今とは変わっているはずだし、なんだか半端な気がする。自分はあくまでボーカリストでやってきてよかったと思うよ。N:サックスの技術に関しては、自分より上手い人はいくらでもいるわけですよ。でもそういう人たちは、俺みたいなポップなジャンルの音楽はやっていないし、こういうアーティストにもならない。だからこれはこれで、自分が好きでやってきた音楽から背伸びせずに、デビュー以来、好きなジャンルをやれていると思いますね。F:俺は一度就職したけど、尚之は高校卒業してすぐデビューだもんな。就職先がチェッカーズ(笑)。 ———すごいですよね。就職先が「株式会社○○」とかじゃなくて「チェッカーズ」(笑)。 N:そうです。他の仕事はまったくしたことがないし、できません(笑)。 マネージャー:東京への憧れは、フミヤさんが一番強かったんですか? F:そうだね、俺が一番強かったと思う。デビュー前から東京に遊びに行っていて、渋谷や新宿も知っていたから余計にね。東京で最初に歩いた街は、新宿だったはず。東京駅で新幹線から中央線に乗り換えて、新宿のアルタ前に行ったんだよ。街頭ビジョンを見上げて「あっ、ここがテレビでよく見る場所か!」みたいな(笑)。東京では面白いところばっかり案内してもらって、もう楽しいものしかなくてさ。東京に住んでいる同世代の学生たちは、みんな遊んでいるようにしか見えないわけ。原宿の洋服屋でバイトしてる子たちとか、うらやましかった。なんで俺は東京の学校に行かなかったんだろうって、ジェラシーみたいなのもあったね。俺は子供の頃からファッションが好きだったけど、服やファッションのプロになれる道があるとか、専門学校や大学で好きなことや面白いことを学べるという選択肢があるのを知らなかったから。N:大学に行くという選択肢は最初から意識していなかったよね。やっと高校を卒業できたのに、さらに勉強するのかよっていう(笑)。田舎だったというのもあるし、時代的にもそうじゃないですか。F:大学って、経済学部とか商学部とか難しそうな勉強するだけだと思っていたし、美大という存在もよく分からなかったから。まあ、歌で生きてきた今となっては、他の道は知らなくてよかったのかもしれないけどね。 ●ファッション ———では、ここからいくつかのキーワードでお話を伺っていきます。まず、「ファッション」について。チェッカーズは斬新な衣装で日本中にインパクトを与えましたが、そもそもフミヤさんは子供の頃からオシャレが好きだったのですね。 F:そう。俺は、小学生の時からファッションが大好きだった。テレビの影響で、フィンガー5とか西城秀樹さんみたいな当時のアイドルの姿に惹かれて、「あんな服を着たい」と思ったんだよね。そうか。実は俺、アイドルに憧れていたのかもしれないな。今さら気付くっていう(笑)。N:で、そういう人たちがテレビで身に着けているような服なんて店で売ってないからって、自分で作ってたんだよね。F:そう。ないなら作ろうと。アメフトのユニフォームみたいに数字の入ったシャツとか、ピースマークの服とか、ベルボトムを着てる小学生。一張羅みたいに、いつも着てたもんなぁ。小学校でそんなの俺だけだから、浮いてたけど(笑)。ジーンズの横を切って広げて、毛糸で編み上げにしたり。N:あったねー! それで自転車に乗ったら、すぐチェーンに絡んで汚れて大変だったっていうやつね(笑)。F:そうそう。昔ってベルボトムが流行ってたから、自転車に乗るとチェーンに挟まる挟まる!(笑) 絡まって黒くなっちゃうことが、よくあったな。 ———もし当時SNSがあったら、“オシャレ小学生”として話題になりそうなレベルですね。 F:でも、そんな風にオシャレはしてたんだけど、小学生の頃はモテるどころか、むしろ女の子には敬遠されていたぐらい。要はイケてない子だったんだよ(笑)。やや小太りだったり、走るのも遅いし、勉強もそんなにできないし。N:そうね、スポーツもずば抜けて何かが得意っていうのはなかったもんね(笑)。F:アイドルに憧れて髪を伸ばしてたんだけど、周りはいがぐり坊主しかいない。ある意味、「ちびまる子ちゃん」の花輪くんみたいな感じで浮いてたんだよ(笑)。中学生になるとみんな髪を伸ばし始めたんだけど、なんでも俺は早過ぎたんだよな。とにかく昔から最先端のものが好きだった。で、小学生の最先端といえば、文房具じゃん。新発売の筆箱とか、新しい物をいつも最初に持ってたんだよ。別に金持ちじゃないんだけど、今思うと親が忙しくて面倒をよく見られないから、欲しいものは買い与えてくれてたんじゃないかな。文房具なんて高くもないしさ。で、俺のアンチだった女子たちは、そういうのが鼻についたというのもあったんだと思う。なのに、中学校に入って急にモテ始めた(笑)。なんとなく、人当たりの柔らかさみたいなのがあったのかもしれない。家が美容室だから人の出入りが激しいし、女性ばっかりの環境だから、女性と話し慣れていたというのはあるし。家に帰ると、いつも知らないおばちゃんやお姉さんがいて、「あら、郁弥ちゃん、おかえり」とか可愛がられてたからね(笑)。ゴツゴツした体育会系でもないし、別に「男は男らしく」みたいな育ち方もしていないし、ちょっとユニセックス性があったのかもしれないとも思う。服装も、中学に入った時点ですでに最先端を行ってたんだよ。学校は制服だけど、私服は当時流行ってたVANとかアイビー系を買って着てた。ダウン・タウン・ブギウギ・バンドが流行ったら、すぐにつなぎを買いに行くとか。そのバンドの衣装が、名前の一文字をつなぎに書いてたんだよ。それで俺も胸に「郁」とか書いてた(笑)。N:そうそうそう! 名前の一文字ね、あったね〜(笑)。F:中学の時とかね。いやー、頑張ってオシャレしてたね! 別にモテたいから着るとかじゃないんだよ。純粋に、自分的にかっこいい服やオシャレな服が着たい、売ってないなら作る。そういえば俺、女の子にモテたいと思って何かをしたことは一度もなかったな。好きでやってただけ。尚之は当時、俺のお下がりを着てたぐらいだったよね。N:そう。でも結局俺の方が背が大きくなって、お下がりがだんだん着れなくなってね(笑)。F:そして中1から音楽にハマったから、興味の対象が音楽とファッションになる。そこから俺は急に、アイドルではなくミュージシャン系のファッションにいくんだよ。でも当時はミュージシャンの映像を見る機会がないから、レコードジャケットや雑誌ぐらいの数少ない情報から探すしかなかった。そして、いわゆる不良っぽいミュージシャンのファッションに惹かれるようになっていく。まだ革ジャンは買えないからビニジャン着たりして。でもいわゆる本当の不良、今で言うヤンキーみたいなのとは違うんだよ。 ———バンド系の人は、そういうタイプの不良とは違うのに、大人から見ると一緒くたに混ぜられがちな時代ですね。 F:彼らはパンチパーマでボンタンジーンズ、女性用の白いつっかけサンダルとか履いちゃって。オシャレなファッションというものとは違ってた。N:あの人たちは、靴も普通に履かないで、必ずかかとを潰して履くんだよね(笑)。F:それにしても今思うと、服を買うお金はどうしてたんだろう。まだバイトもできない年齢の頃は、なけなしの金で買ってたのか、それかお袋にねだってたのか、ちょっと覚えてないけど。家は金持ちではないながらも、お袋がまあまあ羽振りがよかったんだろうね。N:なんせ、町に美容室が一軒しかなかったからね。F:多い時は二人ぐらい雇ってたもんね。女性はみんなパーマをかけていたし、お出かけする時の着物の着付けやセットもしてたから。N:しかも、お客さんに昼飯や晩飯まで普通に出してたっていう(笑)。F:誰にでも「食べていかんね!」って(笑)。もう常に人がいて井戸端会議だった。N:そして、周りから野菜や果物が届けられる。みんな勝手に玄関先に置いてってくれるわけ。それを見て「ああ、筍のシーズンになったんだな」みたいな。F:おそらく売り物じゃなくて、野菜がいっぱいできちゃったのを持ってきてくれたんだと思うけどね。いつももらってたから、柿とか筍はお金を出して買ったことないね。N:みかんは箱で買ってたけど、柿なんかはその辺の木にいくらでもなってるし。F:東京に来て、「柿が売ってる!」って驚いたからね(笑)。えーと、何の話からこうなったんだっけ? ———ファッションの話です。いいんです、フリートークですから(笑)。 N:当時、コンバースも出てきた頃でしたね。そこらのスニーカーとは全っ然デザインも値段も違って、そりゃあもう衝撃的でしたよ。F:ハイカットのコンバースね。当時はバッシューと言われてて、実際にバスケ部の友達ぐらいしか履いてなかった。次に、古着にハマっていったと思う。50年代のアメカジにリーゼントスタイル。高校生になった時はすでに、かなりのオシャレさんだった。もうバイトも始めてたから、服は結構持ってたな。N:東京の「クリームソーダ」っぽい、ロックンロールな切り口の店もあったし。あとはボウリングシャツとか。コカ・コーラの制服を手に入れたりね。F:そうそう、流行ったんだよな。俺はペプシしか持ってなかったけど、コカ・コーラなんて入手困難で、着てると従業員から「お前、それどこで手に入れたんだ?」って言われるぐらい。古着屋で服を買ったりもしてた。洒落た古着屋の服は高いから、普通の、倉庫で着物とかも売ってるような店。高校生になってからは、久留米で一番流行ってる洋服屋に入り浸ってた。そこに遊びに行って常連になるのが、久留米の町ではちょっとステイタス的な(笑)。N:一応セレクトショップだったよね。テイストは偏ってはいなくて、でも通好みなアイテムもあるという。髪型は、ある時からリーゼント系ではなくなったよね。F:そう。俺はすでに50sのリーゼントをやめて、いち早くニューウェーブに行っちゃってた。だから、チェッカーズでデビューする時の衣装にも何の抵抗もなかったんだよね。東京に来た時点では、裕二も享も高杢もリーゼント、政治はリーゼントできる髪型ではなかったけど50sだった。クロベエは当時デュラン・デュランが好きで、髪型を真似してたな(笑)。尚之はどうだったっけ?N:俺も、もうその時はリーゼントにはしてなかったな。F:そうだよね。 ———当時、洋楽アーティストのファッションへの影響は大きかったですよね。その後、MTVも出てきましたし。チェッカーズのメンバーは洋楽に触れていたからこそ、衣装以外でも明確な好みや意思をもって自分のスタイルを楽しんでいた印象です。 F:ファッションって、興味ない人は全然ないからね。最近の若いミュージシャンを見ていても、衣装はいいけど私服は無頓着な人ってめちゃくちゃ多い(笑)。まあ興味は人それぞれだから、別にいいんだけどさ。でも俺ね、若い頃は洋服がイケてないミュージシャンが本当に嫌いで、むしろ見た目から入るようなところもあった。それがある時、逆転したんだよね。ソロになってから、だんだんアメリカ西海岸のロックが好きになったんだけど、そこにファッションセンスというものはなかったのよ(笑)。N:もう、とんでもない感じだったよね(笑)。ヒッピーな感じだったり。F:TOTOにしてもイーグルスにしても、Tシャツとジーンズに髭面。オシャレさは皆無(笑)。でも楽曲はすごくいいんだよ。その時に初めて、ミュージシャンに必ずしもファッションは関係ないと思えるようになった。なんならファッションにこだわりすぎてるよりも、ダサいぐらいの方が職人気質でいいんじゃないか?って逆転した時期もあったぐらい。それはそれで極端なんだけど。N:たしかに、その辺りで音楽とファッションがリンクしなくなるっていうのはあったね。例えばジャズ系でも、昔は絶対にスーツと蝶ネクタイで演奏するのが定番だったのが、バップとかフリージャズになると関係なくなってしまう。ロックもそう。ビートルズがああいう髪型やスタイルになって、だんだん崩れて変わっていった。まあ、イギリスはロックやモッズがファッションとしてありましたけど。F:イギリス系のミュージシャンは崩してもオシャレさがあるんだけど、アメリカはそもそもファッションというものがなかったからね。あと、俺的にOKなダサさとダメなダサさっていうのもある。全然洋服にこだわらないミュージシャンでも、すごいなぁと尊敬している人はいるんだよ。それはきっと、生き方がカッコいいからだろうな。 ———フミヤさんはデザイナーのお友達も多いですし、歌詞にもファッションが感じられる描写がよく出てきます。 […]

F-BLOOD SPECIAL INTERVIEW #1

2022年12月16日 FF-Staff 0

100点に近いツアーだったと言える 「F-BLOODって、やっぱりいいよね」そんな言葉が各所から聞こえてきた25周年ツアーが終了。周年ならではの充実のセットリストと、ゆるい兄弟トークで、藤井兄弟とともに観客が思い切り楽しめるステージとなった。最終日を終えてなお「あと何本かやりたかった」と笑顔の二人。そこには、本気で音楽を楽しんでいる人だけが持つ余裕があった。 ●ツアーを振り返って ———F-BLOODの25周年ツアーが大好評のうちに終了しました。5年ぶりのツアーを振り返ってみて、いかがでしたか。 フミヤ(以下F):いいツアーになったよ。全体的に振り返ってみると、100点に近いツアーだったと言えるんじゃないかな。あんなに盛り上がるコンサートに作ったつもりはなかったのに、最終的には予想以上に、めちゃくちゃ盛り上がるコンサートになってたな(笑)。 ———場内はまだ声かけや歌唱は禁止ですが、漏れ出る歓声は多少増えているので、心の解放感というのはあるかもしれません。 F:なるほどね。それは大いに関係あるだろうな!尚之(以下N):今回は最後の最後まで、すごく楽しくやれましたよ。ロケンロー!ですね。ライブというのは、その時だけの内容で、そのクールだけで終わってしまうものなので。もうちょっと本数やりたかったなと思うぐらい。F:16本かぁ。とにかく、あっという間な感じだったな。まだあと5〜6本やりたかったぐらい。まあ、惜しまれつつ終わるのがいいとも言えるんだけど。N:コロナがなかったら、もっと本数が多かったもんね。Positiveツアーでは、全国のライブハウスを細かく回る予定でしたから。F:でも、あの時やってたら「Positive」のアルバムツアーであって、今回の内容にはなっていなかった。そう思うと、結果として25周年のタイミングに当たったことはやっぱりよかったんだな。N:そうだね。予定通りやっていたら、そもそも25周年ツアーはなかった。F:なにより今回は、チケットがすぐ完売したことが本当にありがたかった! バンドのスケジュールとかいろんな調整をしつつ、2020年にやれなかったF-BLOODツアーを復活させようっていうことで開催できた。このメンバーでできたのも、すごくバランスがよかったんだよね。N:そう。アルバムのレコーディングメンバーだし、おかげでいい感じになりました。F:尚之はACTIONやRED PARTYにも入ってもらったから、ステージに一緒に立つのはそれほど久しぶりの感じはしなかったね。ただ、F-BLOODはユニットとして歌うし、俺がコーラスやタンバリンに徹することもあるから、やっぱり別物。N:今もコロナは完全には終わっていないけれど、ようやくほぼ元通りの生活や活動ができるようになってきたじゃないですか。お客さんはまだマスクはしてくれていながらも、だいぶ前のライブ風景に戻りつつある。F:今回はライブハウスではなく座席になったしね。さすがにライブハウスだと、まだ厳しかったと思う。N:それこそACTIONの時なんて、まだまだだったもんね。席も間をひとつ空けて座ってもらってたし、客席がシーンとしててさ。F:そうそう。いやー、あれは本当に慣れなかったなぁ! しょうがないんだけど。 ———それを思うと、今回はマスクはしていても多少の歓声は漏れて聞こえてきていますしね。 F:そうそう。だからやっていて反応も分かるし、こっちもより気持ちよくやれる。N:本当に、やっとここまで来たという感じですね。F:MC、とくに真ん中のトークコーナーも狙い通りで。当初、コンセプトで「ゆるい兄弟」みたいな話をしていたけれど、狙い通りというか、予想以上にゆるくなった(笑)。ゆるむのはトークしかないからね。今回は尚之がかなりしゃべってる。N:内容は事前にはほぼ考えていないので、その時の気分でしゃべっています(笑)。F:F-BLOODは、もうちょっとカッコつけたら、もっと男っぽいんだけど。 ———いつもながら、演奏とMCのギャップが魅力でもありますからね(笑)。Positiveツアーから25周年ツアーになったことで、セットリストもだいぶ変わりました。今回はどういうコンセプトで選曲を? F:セットリストは観客をいざなっていく大切なものだから、いろいろ考えたよ。バラード系もたっぷり聴かせつつ、ロックンロールで盛り上がるブロックもあり。かつ、「Positive」からの曲を程よく入れる必要がある。F-BLOODは、まず尚之の作る曲のよさが前提なんだけど、あえて単純なコード進行が多いんだよ。だからこそ誰が聴いても盛り上がれるし、ノリがよくて身体が動いちゃうような。それがロックンロールの力だったりする。せっかく25周年だし、バランスをいろいろ考えて、飽きずにずっと楽しめるようなセットリストにした。二人で作った作品はF-BLOODだということにしたから、最初のツアーと比べるとだいぶ楽曲が増えたよね。人に提供した曲も含めつつ、4枚のアルバムからなるべくバランスよく入れるようにした。N:ただ、それも簡単じゃないんだよね(笑)。アルバムというのは、その時その時でコンセプトを立てて作っているから、4枚それぞれカラーが違っていて。F:そう。だから意外と「Ants」からは少なくて、「恋するPOWER」と「I LOVE IT!ドーナッツ!」だけ。N:「Ants」はロックンロールじゃなくてロックだからね。ややヘビーなので。F: あとはチェッカーズ曲を入れるバランスも考えたし、楽曲提供した「切れた首飾り」は、一度歌ってみたいと思っていた曲。 ———ツアーのラストである12月24日と25日の昭和女子大学人見記念講堂では、クリスマスということで特別なナンバーがアンコール1曲目に追加となりました。 N:F-BLOODでクリスマスにライブというのは、初めてですよね。F:そうだね。F-BLOODで普通のクリスマスソングをやるのはちょっと違うと思って、だったらLove & Peaceだよねってことで「I have a dream」。クリスマスなのに「違う神を信じ」とか言っちゃってるけどね(笑)。まあ、日本人は無宗教かつ多神教みたいなもんだからいいかなと。クリスマスが終わったら、すぐお正月だし。N:あはは! たしかに。F:何より、今こそ平和を願いたいというのはあるからね。 […]

FF SPECIAL INTERVIEW

2022年12月16日 FF-Staff 0

ずっと、ラブソングと生きてきたんだよね 2022年、十音楽団に還暦ライブRED PARTY、そしてF-BLOODと、さまざまなステージで魅了してくれたフミヤ。シングル&アルバム『水色と空色』の発売もあり、ファンとともに充実の一年を駆け抜けてきた。その感動と興奮も冷めやらぬうちに、デビュー40周年の2023年がやってくる。F-BLOODツアー進行中のフミヤに、近況そして次なる「Special LoveSong」ツアーについて語ってもらった。 ●思い描いていた“ゆるい兄弟”が実現 〜F-BLOOD 25th Anniversary TOUR 2022〜 ———F-BLOODツアーも終盤に入りました。 F:コロナで延期になっていたツアーがようやくできて、本当によかった。当初、“ゆるい藤井兄弟”的な雰囲気でやりたいって言ってたじゃん。でも、いざ候補曲を並べてセットリストを作っていったら、内容的には全然ゆるくなかった(笑)。まあ、ライブとMCのギャップがあってもいいというか、F-BLOODってそういうもんだなと。ゆるめのMCコーナーを中盤に入れる想定をしていたんだけど、何公演かやるうちに最初のMCから尚之がどんどんしゃべり出して、ことのほか長くなってきた(笑)。結果として、俺が思い描いていた“ゆるい藤井兄弟”という形になったんだよ。フロントが二人だから俺もリラックスできるし、やってて楽しい。みんなには、演奏でもMCでも楽しんでもらえればいいなと。 ———MCは客席の皆さんも毎回楽しみにされているようです。あと、今回は座席がある分、よりしっかりと楽曲やステージ全体像を味わうことができますね。 F:そうだね。スタンディングはスタンディングにしかない勢いがあっていいんだけど、今回は、よりコンサートらしい感じで味わってもらえていると思う。俺はユニットとして、それぞれの役割とバランスを大事にしてる。例えば間奏は尚之がサックスを吹いたりする見せ場だから、俺はあんまり目立たないようにしたり。もちろん曲によってはコーラスやタンバリンに徹する。ちなみに俺のタンバリンは、ただのお飾りじゃなく、曲に必要な本気のパーカッションとして演奏してるからね(笑)。引き続き、最後までいいステージを届けていくよ。 ———12月25日の公演はライブ配信も決定したので、ぜひ全国からご覧いただきたいですね。会報では、後日あらためて兄弟お二人でのインタビューもさせていただきます。 ●聴き込んでからツアーに来てほしい 〜アルバム『水色と空色』〜 ———11月にソロアルバム『水色と空色』がリリースされ、こちらも好評です。 F:俺の場合、comu comuでみんなの感想や反応を直接知ることができるのが、ありがたいし面白い。今回のアルバムはスタンダードなラブソングかつポップスだから、すごく聴きやすいと思うよ。聴けば聴くほど浸透するから、ぜひ聴き込んでからツアーに来てほしいね。前の「大人ロック」や「フジイロック」は、より“藤井フミヤのアルバム”という意識が強かった。でも今回は自分自身の等身大を表現するというよりも、プロデューサー的に、それぞれの曲がベストな形になるように歌い手や登場人物を想定して作った。だから歌い方に関しても、作品の魅力を伝えるために、いかに綺麗な声で歌えるか?と考えたんだよ。俺の声をいろんな調理法にアレンジしてみた感じ。目の前にある鯛を、焼き魚にするのかクリームパスタにするのか、みたいな(笑)。いろんな楽曲を通して、藤井フミヤの歌声を楽しんでもらえればと。実は音楽というのは、ビジュアルを見ずに音や歌を聴いただけでは、どんな人が演奏したり歌っているか分からない。だから意外と年齢があんまり関係ないんだよ。とくにオペラ歌手なんて声だけで年齢は分からないし、実際に舞台でも若い日から晩年まで演じたりするじゃん。さらに楽器だけなら、演奏者が若者だろうがおじさんだろうが分からない。ポップスもそういう扱いになればいいのにと思うよ。まあ、アイドル系はどうしてもビジュアル重視だけどね。 ———たしかに、昔は最新の人気アーティストを見たり知ったりするのは主に歌番組や雑誌で、ビジュアルが切り離せませんでした。時代とともにメディアもアーティストのあり方も変化し、多様化しています。 F:音楽が配信になったり、YouTubeが出てきたことが大きな変化だよね。今はもうサブスクが主流で、たまたま耳にした曲がいいなと思ったら気軽に聴くことができる。だから今の時代、何がどの年代に響くか、何がきっかけで耳に届くかは読めないんだよ。それこそ、20代の子が俺の曲に出会うこともあるし。だから、今回のアルバムでいろんな世代の主人公を描いたことは、結果として現代の音楽の聴き方に合っていたとも言えるかも。もちろん俺のメインのファン層は40代50代が多いけど、別にラブソングって特定の年代に向けて書くものではないからね。恋愛で感じることは年齢を問わず共通するし、初々しい気持ちを歌ったものが響いたりもする。俺が還暦だからって、人生や哲学的な歌ばっかり歌うのも違うしさ(笑)。とにかくいろんなタイプの曲があるから、いろんな人に届けばいいなと思ってるよ。アルバムもツアーも。 ●ぜひカップルでも来てほしい 〜CONCERT TOUR […]

FF SPECIAL INTERVIEW (2/2)

2022年9月9日 FF-Staff 0

アルバム『水色と空色』 ———では、ここからは制作中のアルバムについてお聞かせください。 F:とってもいいアルバムになっているよ。とにかく1曲ごとのクオリティが高いし、バランスもいい。あと、じーんと来たり泣けるような曲が多いんじゃないかな。全体的には、ラブソング集。それこそ映画みたいな短いストーリーがそれぞれにあって、アルバムは短編小説や映画がいくつも並んでいるようなものだね。恋愛以外の歌は「未完成タワー」と「無限のGrowing up」ぐらいで。それ以外に関しては、10曲で10の恋愛。このアルバムで10回恋をする、恋に落ちてもらいます、という感じ。アルバムタイトルは『水色と空色』。今までやったことがない試みだけれど、すでに出したシングルと同じにしてみた。曲が出揃ってタイトルをあれこれ考えている時に、ちょっと待てよ、『水色と空色』でもいいんじゃないか?と。70年代から80年代にかけての音楽シーンでは、アルバムのメイン曲をそのままアルバムタイトルにするケースがよくあったんだよ。今回、そういう感じにするのもいいかなと思って。水色と空色というのは、絵の具でもほぼ同じ色。なのに別物。この「似ているけれど違う」というのが、俺は、男と女にも言える気がするんだよね。曲が出揃ってみて全体を見渡すと、すべての曲の主人公が「水色と空色」のような感じがした。それはシングルの歌の主人公がアルバムにも出てくるという意味ではなく、それぞれの歌詞のカップルが、まるで水色と空色の2色のように「似ているけど違う二人」ということ。シングルは水たまりに空が映っているような情景だったけれど、俺的には「水」はもうちょっといろんな意味で使ってる。例えば海。海と空なんて全然違うものなのに、水色と空色と言ってしまえばほぼ同じ色とされる。面白いなと。ちなみに空と海ならSEA SKYだし空海じゃん、とか、そこにも繋がったりするかもしれない(笑)。 ———「手のなるほうへ」や「水色と空色」「未完成タワー」も含めて、全12曲。まるでドラマや映画の主題歌のようなクオリティの曲が多くて、聴いていると場面が浮かんできます。 F:そうなんだよ。シングルとか主題歌もいけそうなクオリティの曲が多い。ほぼミディアムまたはバラードで、アップテンポは3曲ぐらいかな。曲をストックすることに関しては、「手のなるほうへ」の時から始まっていたと言ってもいい。当時、候補として集めたバラードがあって、そこからさらにストックしてきた。今回新たにプラスされたのが2曲ぐらい。すでにいろんな人から素晴らしい曲が集まっていたから、アルバム全体に一人のプロデューサーを立てることはせず、曲ごとにアレンジしてもらった。 ———歌詞は以前おっしゃっていた通り、若々しい感じ。 F:そう。歌詞の主人公自身が若いことが、最大の特徴だね。主人公は俺ではないから、自分の年齢とは関係なく曲ごとに想定したり、若いアーティストが歌うのを想定したりして書いている。人間の感情は年齢を問わず共通しているから、誰が聴いても共感したりしてもらえるはず。あと、愛を歌ってはいるけれど、今回はほぼプラトニック。中には、過去に付き合っていて、そういうこともあったね……みたいな歌や、ちょっとだけ性の目覚めみたいなのはあるけどね。つまり、いわゆるセクシーな歌はないです(笑)。  ———今、そういうプラトニックな歌詞の世界になったのはなぜでしょうか。 F:やっぱり、先にシングル「水色と空色」の存在があったからだね。映画もあって、あの歌の世界観が生まれた。そこからアルバム全体も、若い歌詞とプラトニックなものになっていったと思う。若干のエロティシズムを感じるのは、「今さらI want you」と「禁じられた約束」の2曲だね。ティーンまで行かなくても、子供でも本能的に性への興味とか関心はあるじゃん。「禁じられた約束」は、そういう感覚を歌ってる。テレビとかでも、大人のそういう描写は目にするし。何をやっているのかは詳しく知らなくても気になってしまう。そういえば俺の知り合いの話なんだけどさ。小学生ぐらいの時に女の子といて、なんでか分からないけど二人で裸になっちゃったんだって(笑)。なんとなく「男女にそういうことがある」のは知っていて身体を重ねてみたけど、やり方が分かんないから、女の子の上でずっと腕立て伏せしてたんだって!(一同爆笑)それで汗だくになって、途中でやめたらしいよ(笑)。 ———すごい話ですね!(笑) 自分の子がそんなことしてたら大事件でしょうけど。 F:俺の時代なんて、お医者さんごっこみたいなのが実際にあったからね。ちょっと年上のお姉ちゃんが「触ってごらん」みたいな。小学校の時とか女子の方がませているし。知り合いの女の子は、早熟で小学校4〜5年の時から興味がすごいあって、ダイヤルQ2に電話してたんだって。いい悪いは別として、子供でも性への関心とか独自の世界観ってあるんだよな。でも今はSNSで危険なことも昔よりずっと増えているんだろうし。 ———そうですね。昔より早めに性教育やSNSの指導が行われたりもするようです。ただ、子供の性への関心そのものは、健全なことですもんね。今回のアルバムはほぼプラトニックということですが、そういう本能的な部分はほんのり出てくる、と。では、アルバムの新曲について解説をお願いします。 【今さら I want you】 F:これは佐橋くんが、フィル・スペクターという昔の音楽プロデューサーや大滝詠一さんのようなサウンドイメージで録りたいということで、せーので楽器を一斉に録った。 マネージャー:例えばギターやパーカッションも、二人来てもらって同時に同じ演奏をしてもらうやり方でしたね。 F:サウンドにその時代の雰囲気が出るんだよね。佐橋くんがデモアレンジをしてくれて、昔のトレンディードラマで流れるみたいな雰囲気になった。それがまさにフィル・スペクターとか大滝詠一さんのようなサウンド。もう最初からこうだったようにしか聴こえないぐらいハマッてたから、歌詞もそれに合わせて、70年代後半から80年代の大手化粧品のCMみたいな風景をイメージして書いたんだよ。今時なかなかない、砂浜で裸足で踊る、みたいなシチュエーション。ただ物語としては、男が未練がましく昔の思い出を大切にしているという歌(笑)。でもこれ、俺的には女性ファンが多いからちょっとどうかなと思うのは……ほら、よく言うけど、女性は過去に付き合ってた男のことなんて振り返らないじゃん? ———例の、「男は過去の恋愛をフォルダに保存、女は上書き」理論ですね。 F:そう。だから、こうやって男が元カノを想っている歌詞なんて、「気持ち悪っ!」って思われるんじゃないかって(笑)。この歌の男女は昔付き合っていて、どちらかというと男の方が好き度が高いというか、まあ要は男がフラれたんだよね。それが再会した。おそらくバーとかかな。もちろん偶然会ったとは限らなくて、「最近どう? 久しぶりに会おうよ」って会ったのかもしれない。それぐらい、別に悪い関係性ではない。ただ、男はどこか「俺たち、一度はそういうことになった仲じゃん?」と思っていたり、ちょっと未練がましい。でも女は全然そういう目では見ていない。万一、男が「キスだけしようよ」とか言っても「は? […]

FF SPECIAL INTERVIEW (1/2)

2022年9月9日 FF-Staff 0

愛されてるなー、俺!思った以上に素晴らしい景色だった 武道館を赤く染めた還暦ライブ「RED PARTY」を終えたフミヤ。本人にとってもファンにとっても忘れられないものとなった特別な一日を、あらためて振り返ってもらった。また、11月にはニューアルバム『水色と空色』の発売が決定。今まさにレコーディング進行中のフミヤにインタビュー。 還暦ライブRED PARTYを終えて ———RED PARTYは、素晴らしいライブになりましたね。 フミヤ(以下F):思った通りに、いや、思った以上に素晴らしい景色だった! ステージから真っ赤な客席を見たら、なんだこれ、すげーな!って。普段の武道館と全然違う眺め。素晴らしい決起集会だったね(笑)。「すごいことやらせてもらってるなー、俺」と思ったし、同時に、お客さんも絶対楽しんでもらえると思ったよ。みんなも、見たことのない光景が見られたはず。グッズの赤いTシャツを着てくれた人が多かったね。そして照明が落ちた瞬間に、一周ぐるりと赤い光り物だけが見える。あれは武道館ならではだよね。みんなもセットの一部になっているような感覚になってもらえる。実際、オープニングで客電が落ちた時の印象をcomu comuに書いている人が多かったな。俺はその瞬間ステージの下にいて、直接見ることはできなかったけれど。それにしても、今回あらためてFFというファンクラブのすごさを知ったというか。なんかもう「愛されてるなー、俺!」みたいなのが本当に大きかったね。 ———それを実感したのは本番中ですか? F:そう。ステージから真っ赤な会場を見て、「みんな全国から、こんなに赤を着て集まってくれたんだ」と。もちろんそれまでも、comu comuでも1ヶ月ぐらい前からみんなが徐々に盛り上がってきていたのは見ていたけどね。この赤い服を着て行きますとか、一人で行きます、友達と会います、久しぶりの武道館です、ネイルを塗りました、とかさ(笑)。みんな準備から楽しそうだなーって、見ていて面白かった。もちろん他にもTwitterとかFacebookとか外のSNSでも盛り上がってくれているわけじゃん。当日は渋谷の街頭ビジョンに「フミヤさん還暦お誕生日おめでとう」というメッセージを出してくれている人もいたりして。さらにライブから数日経っても、comu comuでは興奮冷めやらぬ感じで盛り上がっている。それだけいいライブだったと感じてもらえたんだなと、安心したよ。還暦ライブのために全国から集まってもらえて、しかも平日に。関係者からも、「ギザギザの3番で一気にファンがしゃがむような、あの結束力がすごいですね!」と言われた。動きが身体に入っているあの感じね(笑)。知らない人は「何? 何?」みたいに若干アウェー感を感じてしまいがちだけど、見ている分にも面白かったらしい。ACTIONツアーでやった時は、その振りを知らなくて置いてかれちゃう人もいたのよ。それで「あっ、ここで座るんだ」と学んでくれて、今回バッチリ決まったんじゃないかな。 ———お祝いできる側の幸せというのもあります。ある知人が「フミヤさんのファンやスタッフは還暦までお祝いできてうらやましい。自分の好きなアーティストはもう活動していないから……」と言っていました。フミヤさんが還暦のお誕生日を武道館ライブで迎えられるというのは、ここまでの生き方の表れですよね。どこかで歌うことをやめていたらこの日は来なかったですし、活動規模によっては武道館ではやれませんし。 F:本当にそうだよなー。自分でも、チェッカーズの解散ライブから年月が経って、同じ場所で還暦祝いをしてもらうとは思ってもみなかった。まだここで歌っているんだという喜びもあるし、歌えている自分というのもいる。とにかく、60歳の誕生日を一緒に祝ってくれるファンとの一体感はすごかった。 ———ライブ中は、やはり慌ただしい感じでしたか。 F:慌ただしかった! いかんせん1本だからね。予想通りだけど、本番中は慌ただしくて、始まったらすぐ終わった感じ。自分で自分に冷静になれ冷静になれと言い聞かせつつ、段取り通りに間違えず最後まで終わらせるという気持ちで進めていった。かといって極度の緊張もなく楽しめたよ。ゲネプロをやったとはいえ、ステージ上でどの曲でどう動いていいのかは決まっていないわけ。だから本番中は歌いながら、照明がこうなる瞬間には俺がこの場所にいなきゃいけないなとか、ここから外に歩いていった方がいいかなとか、間奏ではあっちだなとか、いろんなことを気にしながらやってたよ。途中からは、こっち側にはさっき行ったっけ?とか、同じ方向ばかり行っていないよな?と気を遣いつつ(笑)。 ———センターステージならではですね。しかも何がすごいって、楽器演奏ならまだしも、歌詞を正確に歌いながらいろいろ考えるわけじゃないですか。 F:そうなんだよ(笑)。ここでライトが中央に集まるに違いない、とか予想しながら動いてた。ひとつだけ問題があったのは、イヤーモニターの耳への密着度が弱かったこと。密封されていないから外の音が入ってきてしまう。特にアップテンポは音量を上げちゃうから、外の爆音がガンガン入ってきてイヤホンから伴奏が聴こえないんだよ。混ざると音程がとりにくいから、時々イヤモニを押さえて外の音を遮断して確認してた。尚之は尚之で別のトラブルが起きていたらしくて、イヤモニの電波障害なのか子機の調子が悪かったのか。 マネージャー:切り替えたら大丈夫だったらしいんですが、リハやゲネも大丈夫だったのに、よりによって本番だけ起きてしまったという。 F:まあ、いろいろあるよな! 俺はそういう電波の問題はなかったからよかったけど。ああいう一発勝負の武道館で、100点で終わったことはそうそうないんだよ(笑)。リハで大丈夫でも本番で何かは起きてしまうものだから。俺の失敗はイヤモニの関係で、音が聴こえなくてちょっとずれたり、声を張り上げすぎた部分が少々あったぐらいかな。あとは比較的冷静にやれていたと思う。全体としてはいいライブだった。ひとつ、コロナ禍で観客の歓声がなかったことだけは残念だったけど。みんな「いい子」だったから、ちゃんと声を出さずに拍手してくれたね。 […]

FF SPECIAL INTERVIEW

2022年6月3日 FF-Staff 0

今回のシングルは、完全に新しい時代のトライ ニューシングル「水色と空色」、またひとつフミヤの名曲が生まれた。還暦ライブ“RED PARTY”を来月に控える中、アルバムやF-BLOODツアーの準備も進めながら、連日のメディア出演や取材に大忙しのフミヤ。梅雨入り前の東京、会報のインタビューではリラックスした笑顔でFFメンバーへの言葉を届けてくれた。 ———新型コロナウイルスもだいぶ落ち着いてきて、久しぶりにフミヤさんがマスクなしの状態でインタビューカット撮影できて嬉しく思います。 フミヤ(以下F):本当に、ようやく落ち着いてきたな。このまま収束するといいね。コロナのことは、いつか「あの時は世界中で大騒ぎだったな」と笑い飛ばせるようになるのは分かってる。でも、経験してみないと分からないことだらけだった。昼間の渋谷に人っ子一人いない景色とか、見たことなかったし。F-BLOODツアーが中止になった2020年の時点で「来年の今頃は元に戻っているから、それまでしばらく我慢」みたいな感じだったけど、結局2022年の今も完全には終わってないからね。長いよな。 どこにもないエンターテインメントを創り出せた〜十音楽団ツアー完走〜 ———そんなコロナ禍で行われていた十音楽団ツアーが、一部公演の延期はありながらも最終日を迎えることができました。 F:とにかく最終日まで無事完走できてよかった。11月から5月まで、長かったなー。コロナ禍でACTIONと十音楽団をやってきたけれど、客席が100%使えるようになった時期に十音楽団というのはタイミングがよかった。もともと静かに楽しんでもらうタイプだから、違和感なくやれたし。長いツアーでメンバー間にも連帯感が生まれて、みんなで一緒に過ごしたサマースクールの終わりのような寂しさがあるよ。 ———十音楽団は、初回で出し尽くした上での第二弾でしたが、やってみていかがでしたか。 F:初回は大成功だったけれど、すべてが手探りだったからね。やっぱり2回目はスムーズだったし、演奏も照明もすごくバージョンアップできた感じがある。やってみて手応えがあったし、リピートしてくれるお客さんが多かった。いいコンサートであり舞台であり、どこにもないようなエンターテインメントを創り出せてよかった。語りの部分と歌詞の両方でストーリーを紡いでいくから、初めて俺のコンサートを見る人でも、歌詞を含めてしっかり聴いてもらえているんだろうなと思う。始まったら最後まで途切れず、十音楽団の世界に浸ってもらう感じで。 ———やはり他のライブとは完全に別物で、2時間の舞台作品として完成していました。ファンの皆さんには、ぜひBlu-rayで細部までじっくりご覧いただきたいですね。ちなみに、十音楽団の第三弾はありそうでしょうか? F:2回やってみて、第三弾もやれるだろうなと思ってるよ。ただ、いつになるか分からないし、同じメンバーで集まれるかどうかも分からないけどね。いろんなタイミングが合って集まれたら集まりたい。それに今年はアルバムを出すし、十音楽団に使える曲は増える一方だからね。あとはどういうテーマでやるかだけ。第三弾をやるつもりで過ごしていれば、アンテナが立ってアイデアをいろいろ集めておけると思う。 前世でも歌っていたかも〜輪廻転生〜 ———十音楽団ではいくつか繰り返し出てくるキーワードがある中で、序盤に「Cry for The Moon」で輪廻転生の投げかけが出てきて、以降の曲にも繋がっていくのが印象的です。ファンの方も「自分もフミヤさんと何度も出会っているとしたら?」と思いながら聴かれていると思います。 F:そうなんだよ。これだけの付き合いとなると、前世があるなら過去にもどこかで出会っていた可能性はあるよね。「Cry for The Moon」は、今回ぜひ入れたかった曲。過去にほとんどやったことがないし、ファンへのプレゼント的なチェッカーズ曲を入れたかったから。その歌詞から十音楽団のストーリーに繋げていくと、これは輪廻転生だなと思ったわけ。若い頃、横尾忠則さんなどの影響もあって輪廻転生という考え方にハマった時期がある。今はある程度落ち着いたけど、そういう世界があって欲しい、あるといいなとは思ってる。 ———その流れから、質問コーナーへのメールでも「フミヤさんは前世で何をしていたと思いますか」というような質問を複数いただきました。もし前世があるとして、ご自分でこうだったかもと思うことはありますか。 F:やっぱり、前世でも歌ってたんじゃないかなぁとは思うんだよね。ひとつ前の人生なのか、もっと前か分からないけど、どこかで歌ってたような気はする。ただ、俺は日本人だったことが多い気がするんだよ(笑)。ヨーロッパとかユーラシア大陸の人だったというのは、あんまり想像できないから。でもまあ、それは天から生まれる時に自分で好きな場所を選べるシステムだったとしたら、の話だけど。だって一度生まれたら、ほぼそこで80年ぐらい生きるわけじゃん。俺だったら、どうせ1回の人生を過ごすなら、知り合いがいないイースター島よりは、前も一緒だった仲間がいる日本を選ぶと思うんだよね。もっと言えば火星に生まれてもおかしくないけど、火星の苔とかに生まれたら、苔のまま4千年とか生きなきゃいけないかもしれないじゃん!(笑) いわゆる地球以外の宇宙人みたいな存在は、とっくに進化して肉体は持ってないと思う。でも、よその星に行っても砂漠みたいだし、地球なら水があって植物も動物も人間もいるから、きっと地球で人間になるのが一番面白いはずなんだよ。宇宙でも人気のテーマパークみたいな感じで。それに、あえて肉体を持たないと、見たり聞いたり食べたり触ったりできないし何も生み出せない。だから俺も地球を何度もリピートしてるんじゃないかな。で、まず魂が地球で人間になることを目指すとして、次は、地球のどこに生まれようかということになる。もしかすると、浮遊している魂の状態なら、人間の中に入っている魂が透けて見えたりするのかもしれない。「あっ、あの人の中に入っている魂は、前に別の人だった時に会ったことがある。じゃあ、またあの人の近くに生まれよう」みたいな。同じ時代に生きてるということは、生まれ変わりの世代もだいたい重なるわけじゃん。ずれるとしても20〜30年前後する程度とか。だから、天で友達と再会して「あっ、その節はどうも」「じゃ俺、また生まれるわ」「え、行くの? じゃあ俺も行こうかな」で、また出会う。そういうこともあるのかもしれないし。 ———もしかしたら、仲間と一緒に外国に生まれていたこともあるのかもしれませんよね。例えば今回は日本で、ひとつ前はローマとか。フミヤさんは昔から歌詞に「エンジェル」「天使」「マリア」など出てきますし、西洋の宗教画もお好きなので、ヨーロッパもなくはない気もしますが。 F:ああ、確かにそれはあるかもね。別にクリスチャンでもないのに、やたらキリスト教の世界は好きだからな。十字架のモチーフも好きで、身に着けたりアートでも描くし。不思議と俺のバックグラウンドとしてあるんだよな。島原あたりはちょっと縁がある土地なのかなと自分でも思うんだよね。そういう「なんとなくそんな感じ」とか「こうかもな」って思うことはある。宣教師をやって歌っていたとか、あり得るかもしれないし。教会は歌や音楽が欠かせない場所だからね。 […]

FF SPECIAL INTERVIEW

2022年3月7日 FF-Staff 0

知り合いが「会場の“フミヤ愛”がすごい」って。そりゃそうさ、俺たちは長いんだから! 昨年からの十音楽団ツアーが好評を博している中、今年は還暦ライブ“RED PARTY”にF-BLOODツアー、さらにアルバムリリースも決定!ますます大充実の一年となりそうな寅年・年男のフミヤ。2022年も、ファンへの想いをさまざまな形にして届けてくれそうだ。 コロナになってる場合じゃない〜新型コロナウイルス感染で感じたこと〜 ———1月末はコロナ感染で大変でしたが、幸い軽めに済んでよかったですね。 フミヤ(以下F):俺も、いよいよ近くに迫ってきているのは感じて気をつけてきたけれど、ついにかかってしまった。最初は、単純に寒かったし風邪だと思ったんだけどねぇ……。十音楽団の後半最初の大阪2本が延期になってしまったことは、本当に申し訳なかった。ただ、もしツアーの途中や遠征先で発症していたら、もっと大変なことになっていたと思う。陽性と分かって、まず、自分が誰かに感染させていたらいけないっていうことが心配だった。すぐに直近で会った人たちに連絡して状況を聞いたら、確認できた範囲では誰にもうつしていなくてホッとしたよ。一番危険だったのは、FFのYouTube配信を目の前で撮影してくれていた監督やマネージャーだったけど、それも大丈夫だった。やっぱりマスクをしてたからだろうね。もしかしてテレビ局で感染したのかな?とも思ったけど、番組の出演者が休まず出演していたから「あ、じゃあ違う。あの時はまだ感染していなかったんだ」と判断。全部そうやって消去法で確認した。あと、芸能人は感染したことが日本中に公表されてしまうからね。もちろんツアー中だし発表の必要もあるんだけど、立場的に報道されてしまうということは、なかなか辛いものがあった。まあ、あまりに芸能界の感染者も多いから、最初の頃ほど目立つニュースではなくなっているけど。報道を見て、知り合いが連絡をくれたり、いろいろ送ってきてくれたりもしたよ。しかし厄払いに行って、その夜に発熱するなんてなぁ……(苦笑)。 ———せめてデルタ株でなく、軽症で済むことが多いと言われるオミクロン株だったことは不幸中の幸いというか。 F:そうなんだよ。デルタの時期だったら、もっと症状がきつかった可能性が高い。今回は最初の2日ぐらいは少しだるかったけど、あとは少し咳や鼻炎のような症状があったぐらいで、体力もあまり落ちなかった。一応ずっとベッドルームで隔離していたけどね。あと普通の風邪と違って、家の中で触った場所や飛沫が飛んだ可能性のあるところを、いちいちアルコール消毒しなきゃならない。鼻をかんだら自分用のビニール袋に厳重に捨てるとかさ。それこそ、暇だから映画を観るしかないじゃん。で、泣くじゃん。ティッシュで涙を拭いたら「あ、これもウイルスか」って。感動して流した涙までもが(笑)。かなりの時間、映画を観て過ごしたけど、さすがに内容が変わっても「映画を観る」という行為に飽きるもんだね(笑)。他には、頼まれていた絵をちょっと描いたり、作詞をしたりもした。幸い家庭内クラスターが起きなかったから、毎日家庭料理を食べられたことはありがたかった。嗅覚は落ちたけど味覚は問題なかったから、もりもり食べられたし。ホテル隔離とか一人暮らしだと、食事の面が辛いだろうね。家族も濃厚接触者だから買い物にすら行きづらかったけど、普段から家に食材が豊富にあったから、そんなに困らなかった。コロナも後遺症さえなければ普通の風邪になり得るんだろうけど、まだステルスオミクロンとか来てるし落ち着かないからね。基本のマスク、手洗い、消毒、換気など、引き続き気持ちを引き締めて過ごすよ。 ———そして、東京オペラシティからすぐにツアーを再開できましたね。 F:オペラシティが終わるまでは気持ち的に落ち着かなかったから、無事にできてほっとしたよ! 当日は少しだけ鼻声っぽかったけど、鼻は通っていて喉の調子もよかったし、声もよく出た。歌うのは12月25日以来だったけれど、全然問題なくできた。内容が十音楽団だったのもよかったと思う。あんまり激しいライブだと、できなかったかもしれないし。あと隔離中にあらためてツアースケジュールを見直して、後半の方が本数がだいぶ多いという事実に気付いた。「俺、コロナになってる場合じゃないじゃん!」って(笑)。 伝えたいものを、ちゃんと伝えられている〜十音楽団〜 ———そんな十音楽団ツアーも中盤まで来て、だいぶ熟成されているかと思います。 F:楽器陣とは相変わらず阿吽の呼吸でやれていて、気持ちいいよ。変化としては、セリフをほんの少し微調整したところがあるぐらいかな。自分が伝えたいものを、観る人にちゃんと伝えられているという感覚がある。座席も、ツアーが始まった時点ではコロナで客席50%制限があったけれど、それが解禁になって7割8割と徐々に戻ってきて嬉しい。クラシックと同じで座って静かに観てもらうコンサートだから、わいわい密になって騒ぐようなリスクもないしね。ただ、その分、客席の反応は拍手しかないから、こっちはSNSとか見ないと感想が分かりづらいんだけど(笑)。とくに最初のうちは、いろんな形でいろんな人の反応を見ながら、「ああ、なるほど。そういう風に感じるんだ」とか「そこは俺もそう考えていた」という風に、必要なら微調整しつつ完成形に持っていった。この間も平山雄一さんがインタビューしてくれて、「観ていて、あっという間だった」と言ってくれたから、よっしゃ!と思ったよ。 ———あの引き込まれていく感じは、普段のライブと違う十音楽団独特の感覚ですよね。次は何だろう?どう来るんだろう?と、目が離せない。 F:そうなんだよ。演劇のような細かい物語があるわけじゃないけれど、場面や流れがあるからね。最終的にラストはどこに向かっていくんだろう?という前提で観てもらえる。その点でも、初めて俺のコンサートを見る人も入りやすい。あと、演奏自体は変えていないんだけど、サウンド的には客席への音の出し方を少し変えて、さらに聴こえ方がよくなったらしい。俺らはステージにいるから分からないんだけど、さらにいいサウンドで味わってもらえているはず。 ———大阪の振替公演は5月2日・3日に決まったので、ゴールデンウィークを利用して遠征いただくのも楽しそうですね。 みんな集合!のお祭り〜還暦記念ライブ“60th BIRTHDAY RED PARTY”〜 ———そして7月11日、還暦を迎えるスペシャルな武道館ライブです。 F:いよいよ来たね〜、還暦のRED PARTY(笑)。これはもう、みんな全国から集合!というFF祭り。バースデーライブの、さらにスペシャル版だね。ドレスコードはもちろん赤。何でもいいから、赤い服またはアイテムをどこか1点でも身に着けて来てほしい。グッズもほぼ赤いアイテム(笑)。なにしろ、この日限りのお祭りだからね、シャレだよシャレ(笑)。ライブの内容は、やっぱり一緒に盛り上がることが最優先だね。チェッカーズの楽曲もやるし、そのために尚之もバンドに入ってもらう。来年のデビュー40周年に向けてもいろいろ考えているんだけど、ある意味7月11日がその先取りというか先出しのような感じで、リンクした内容になるかもしれない。 ———武道館という、フミヤさんにもファンの皆さんにとっても大切な場所でのライブ。それこそ、バンド時代に一緒にライブを見たお友達や久しぶりのFF仲間と、同窓会的に楽しんでいただくこともできそうですね。 […]