FF SPECIAL INTERVIEW
他にはないタイプのショー十音楽団を多くの人に届けたい 2021年11月、ついに幕を開けた十音楽団ツアー。コロナ禍もようやく落ち着きを見せる中、リアルなコンサートが本格的に復活だ。「青いレーベル」と題した第二弾で、今フミヤが表現したいものとは?ステージではMCなしで進行するぶん、ここでだけはFFメンバーのために饒舌に語ってもらおう。 ●十音楽団 〜青いレーベル〜 ———いよいよ十音楽団ツアーが始まりました。スタッフ内でも初日から非常によかったと評判です。これからご覧になる方が多いので、あらためて今回の十音楽団について教えてください。 フミヤ(以下F):すでに何本かやってみて、いいスタートが切れているよ。当初、十音楽団は1回だけのつもりで作っていたから、第二弾をやろうということになった時は「本当にできるのか? 初回を超えられるんだろうか?」という気持ちがあった。でも、シリーズではあるけれど続き物ではないわけだから、同じ監督の違う映画を観てもらうような感じでいいんだなと。実際、いい第二弾ができたと思うよ。基本的なスタイルは前回と一緒で、今回も語りを入れて、1章、2章……と章ごとのシーンを分けて構成している。全体的に前回とはがらりと変わった選曲なのも、楽しんでもらえると思う。懐かしい歌もあれば、クラシック曲もちょっと入っていたりする。十音楽団のバンドメンバーと一緒に、テレビ番組でクラシックなどいろんな曲をやってきたことで、少しずつパーツが集まってきていたんだよね。それも今回の選曲の可能性を広げてくれた。 ———まさにこの楽団ならではの第二弾ですよね。第一弾は、まったく見たことがない新鮮な驚きがあり、今回はその魅力が前提で「あの十音楽団の新作が見られる」という、期待と安定感の両方がある気がします。今回のタイトルとなった「青いレーベル」とは? F:ある1枚の青いレーベルのレコードがあって、そこには歌手の名前も何も書かれていない。そのレコードをプレーヤーにかけて聴きながら人生を振り返る時間が、ひとつのコンサートになっている、というコンセプト。「青」という色を入れたのは、セットリストを作るために曲を出してみたら、空が見える感覚があったから。部屋の中ではなく外の場面を描いた曲が多かったんだよね。そこで、空を感じられる「青」というキーワードを入れることにした。 ———なるほど、先にタイトルがあったのではなく、選曲してから決まったんですね。 F:そう。まずセットリストが先で、そこから物語とか章を作っていった。選曲では、まずこれまでの膨大な曲のタイトルを一度さらっと流し見して、気になったのを聴いたりしながら「ああ、こんな曲あったな」とか「これ使えるかも」という曲名を書き出していく。今回のテーマに合うと感じて選んだのが、ざっと100曲ぐらい。そこからさらにピックアップして、代表曲や今回やりたかった曲と合わせて、セットリストとして構成していく。三日間ぐらいかけて考えたな。タイトルも、最初は「十音楽団2」のような感じでいいと思っていて、それこそツアーポスターの写真を撮影した段階でもまだ付いていなかった。そこへ後から「青いレーベル」という言葉が生まれて、急遽ポスターにも載せてもらうようにお願いしたんだよ。コンサートとしての中身は、「人生」がテーマ。前回同様、あくまでコンサートであり歌がメインだから、演劇のようにストーリーや設定を決め込んだりはしない。それでも、ちゃんとひとつの流れがあるように作っている。別に章ごとに年齢を重ねていくわけではないけれど、終盤にかけて人生という要素が濃くなってきて、最終的な場面では今の俺より少し年上の人をイメージしている。基本的にはラブソングを通じて人生を描いている。初々しいラブソングから、いぶし銀まで。いわゆるシングル曲はそんなに多くないけれど、有名なクラシック曲も散りばめているし、歌詞がよく聞こえるコンサートだから、初めての人でも十分楽しんでもらえるよ。語りから歌への導入があるし、歌もストーリーの一部として聴いてもらえるから入りやすいと思う。 ———十音楽団は歌も物語の一部になるのが特徴ですよね。フミヤさんが歌うというよりは、別人格として歌の世界を演じていて、観る側もその世界に入り込んでいくことができます。 F:物語の主人公は俺自身ではなく、その場面の主人公を設定して演じている感じ。聴く人が自由に受け取ってもらえればいい。客観的に舞台として観てもらってもいいし、自分の人生と重ね合わせたり、これからの人生に想いを馳せたりしてもらうのもいいんじゃないかな。 ●完全に創り上げた第二弾 ———フミヤさんが総合演出・脚本で、有賀啓雄さんが音楽監督。この時点で相当贅沢なステージです。まずフミヤさんが構成を考えて、それをもとに音や演出を作り込んでいったわけですよね。 F:そう。まず俺がセットリストを作って、みんなに「今回はこんな感じでいきたいから、よろしく!」と伝えて、それぞれでイメージを膨らませてもらうという作り方。 マネージャー:まずセットリストと第一稿のシナリオをもって、舞台監督や音楽監督、照明のエンジニアとか舞台セットを作る方などと全体打ち合わせをします。さらに音楽監督とは随時打ち合わせ。それを繰り返していますね。あとはリハーサルで音がほぼ完成して、照明さんが作り込んで、最後がゲネプロ。ミュージシャンはフミヤさんの詩や台詞を聞いて音を変えるし、その音を聴いてフミヤさんがまた言葉を変えたり。お互い楽しんでいる感じでした。F:二度目だからメンバー同士の信頼関係もあるし、さらにやりやすい。音に関しては有賀くんにほぼ任せているけど、かなり自由に挑戦してくれている。彼はもう「このメンバーでレコーディングしたい」とか言い出してるぐらいハマってるからね(笑)。弦も管もいて多彩な音を奏でられるから、いろんな表現ができるし、演奏の質も高い。一方で、シナリオ作りはなかなか難しいんだよ。あくまで楽曲がメインだから、歌の魅力が生きるような詩や台詞じゃないと意味がないし、詩的な感じを出しつつも難解では伝わらない。やっぱりこればかりは人に頼めないんだよな。台詞は何度も何度も書き直した。書くのと声に出すのとでは別物だし、リハーサルでしゃべってみて面白くないと思ったところは変えて。 ———語りも歌詞も、同じフミヤさんの詩の世界ですもんね。動きや間合いなどスムーズな本番のためには、相当の準備をされていると思います。 F:そう。普段のコンサートではありえないほど段取りが細かい。語りから数秒で歌に入る場面もあるし。でも、シナリオを書いている段階ですでに頭で「ここは、すぐイントロで歌だな」とかイメージを描いているから、そういうものとして覚えている感じ。始まってしまったら休憩もフリーMCもないし、何があっても最後まで行くしかない。初日はまったく気が抜けなくて、体力的な疲れはないけれど精神的にめっちゃ疲れた(笑)。まだ動きが完全には身体に入ってないから。でも、初日としては90点ぐらいいったんじゃないかなと思う。 ———今回は光り物がないので、ステージから客席の皆さんの反応は見えないんですよね。 F:そうなんだよ。ACTIONの時よりも余計分からないな。でも思った通りのことをやっているから、感動しているはず!と思っているけどね(笑)。まあ、クラシックと一緒だよね。(本編の)一番最後になんとなく分かるっていう。前は休憩があったけど、今回はそれもないから張り詰めたまま。 ———この構成は今のところ変わる予定なく? F:なんも変わらない。ここが悪いとかそういうのもないからね。完全に創り上げた! あとは身体に入れるだけ(笑)。 ●このご時世に一番合うコンサート […]