藤井画廊 第5回
作品を知ることは、作り手の内面世界に触れること。近年のカレンダー掲載作をはじめ、作品のテーマや技法、制作エピソードなどを、フミヤ自身の言葉でお届けします。さらにFUMIYAワールドが深まる、アートなひとときをどうぞ! 前回も紹介した「コーナーの女」シリーズ。そのうち最初の作品が、この「青いコーナーの女」だ。違いを楽しんでみてほしい。 ポスターカラーの青1色で、筆のラインに強弱をつけて描いたシンプルな作品。うずくまった女性という構図を好んで描くのは、画角にすっぽりとはまるからだ。 まず裸婦画を描き終えて、さて背景に何か描くべきかどうか考えた。裸婦だけでもいい感じなのだが、やはり背景があった方がいい。とはいえシンプルな絵なので、あまりごちゃごちゃ描きたくはない。女性がどこにいるのか分からない方がいいから、居場所を決定付けるようなものも好ましくない。シンプルで、それでいて奥行きを感じる背景にしたい・・・。 そこで考えたのが、XYZ軸の3本の線。つまりコーナーなのである。3本の線を足しただけで、女性がどこかの部屋の隅にうずくまっているように見え、いきなり立体感が出た。このアイデアがパッと浮かんだ時、思わず「俺は天才だなぁ」と自画自賛してしまったほどだ(笑)。実際、この手法と作風は、ギャラリーのオーナーからも「実に面白い」と褒められた。 今のところ「コーナーの女」シリーズは6作品ほどあるが、今後も増えてゆくと思う。なぜなら3本線という簡単に描ける手法であり、見た目にもシンプルなモダンさが気に入っているからだ。部屋の隅にうずくまっている女性なんて妙かもしれないが、不思議な3本線による、見た人の想像を掻き立てる構図なのだ。